【レゾンのコラム】2005年10月27日
MBOとは(第一回)
MBOとはマネジメント・バイアウト(Management Buyout)の略称であり、一般的には経営陣による企業買収のことを言います。
「現代版暖簾分け」や「友好的M&A」とも言われており、次のようなケースがあります。
① 経営陣がオーナーから株式を取得するケース
② 子会社経営陣が親会社から株式を取得するケース
③ 事業部門責任者が当該部門を営業譲渡により取得するケース
④ 事業部門責任者が会社分割後の株式を取得するケース
また、買収主体が異なることで次のようなMBOの派生型が存在します。
① EBO (エンプロイー・バイアウト)
買収主体が経営陣ではなく従業員のケース
② MEBO(マネジメント・エンプロイー・バイアウト)
経営陣と従業員が共同して買収主体となるケース
③ MBI (マネジメント・バイイン)
買収後に外部から経営陣を招き入れるケース
欧州におけるMBO、MBIの最大の市場である英国では、2000年で500件超(金額で約6.6兆円)が実施されました。
1990年代後半から日本でもMBOが増え始め、2004年には43件(金額で約570億円)が実施されております。
日本の経済規模を考えると、今後もかなりの拡大が見込まれる市場と言えるでしょう。
日本においてMBOが急増したのは、親会社において「選択と集中」への意識が高まり、事業内容がノンコアに該当する子会社・部門を売却する動きが強まってきたことが最大の理由です。それに続く理由としては、親会社やオーナーの資金不足、子会社・部門の経営陣によるイニシアチブ、経営の自由度向上や買収リスク回避が挙げられております。
MBOの対象企業(事業)には、業種、規模、公開・非公開の別は関係ありません。
重要なポイントは、買収の主体となる経営陣が熱意とビジョンを持つことです。
売り手である親会社やオーナーを友好的に説得し、賛同者となる従業員を説得・統率していくためには、MBO後の企業の姿(ビジョン)をきちんと描くことが当然、必要なのです。
また、外部資金調達(※)の際にも、ビジョンとそれを説得するための市場性分析や収益モデルを踏まえた事業計画等の作成が必要となります。
(※)一般的には、買収価格が非常に低いか、MBOを行う経営陣が巨額の手元資金を持っていない限り、買収目的会社(SPC)を設立し、経営陣や外部投資家(ファンド等)からの出資と金融機関からの借入で買収資金を調達することになります。
最後にMBO成功の秘訣ですが、①正しいビジネスを、②正しいチームによって、③正しい価格で実行することと言われています。
①:「正しいビジネス」
(1)売上と利益の成長性が継続的に記録されているか、もしくは改善の余地があるとみなされる。
(2)成長しつつあり、かつ安定した産業において競争上の優位性を持っている。
(3)製品やサービスの多様性がある。
(4)特定の顧客や仕入先と過度の依存関係に無い。
(5)資産が健全であるか、キャッシュを蓄える力があるとみなされる。
②:「正しいチーム」
(1)経営陣が総合的な質(熱意・ビジョン・資質・経験等)を兼ね備えている。
(2)従業員が経営陣とビジョンを共有している。
(3)外部に優秀な協力者を備えている。
次回はMBOのメリットとデメリットについて記載します。
投稿者 阿部東洋 : 2005年10月27日 06:13