【レゾンのコラム】2005年10月26日
今日はネットエコノミーの授業で「IT doesn't matter」-ITは重要ではない-というCarr氏の論文をトピックに議論をおこなった。
NEの授業では、IT業界で仕事をしてきた私がいままで疑問に感じていた事がお題に多くとりあげられるので面白い。
Carr氏の主張をものすごく短くまとめるとこうだ。
ITは企業戦略上そのものからは企業の競争優位は生じない。
なぜなら、いまはインフラとなり、コモディティ化されてしまったからだ。
ではなぜインフラとなり、コモディティ化されると競争優位が生じないかというと、
①ITをインフラと捉えるなら共有されることに価値があるといえる。それは電力線、ガス管といったライフラインのネットワークと同様の理論。
だから独り占めすることによるメリットがあまりなくなる。
②インフラ、コモディティ化によりみんなが同様に使える以上、そこからは差別化要因は生まれない。
要するに、ITはみんなが共有することによってメリットが生まれるもので、みんなで使うからこそそれでは差別化できないという理論である。
ここで私が興味を持ったのは、「ITをインフラと捉えるなら、共有されることに価値がある」という点である。
ここでいうITをネットワーク(通信インフラ+通信・インターフェース規格)と捉えるなら、現在爆発的に広がったITのネットワークの代表例として、インターネットを上げることができる。
元はプロバイダごとの独自の規格のパソコン通信から始まったITのネットワークが、インターネットという通信インフラとHTML(HTTP規格)やメ電子メール(MIME規格)というインタフェース規格によって共有化され、価値が高まり、爆発的に広がったのである。
そして、現在は独自ネットワークのパソコン通信はすたれてしまっている。
つい先日もMSNメッセンジャーとYahooメッセンジャー(インターネットメッセージングサービス:IM)の相互接続の発表があった。
Yahoo!、MSNメッセンジャーの相互接続が意味することご参照
これは片方が廃れるのではなく、相互接続によるネットワーク一元化による両者生き残りの作戦であるといえる。
また、IT以外でも「規格」という観点ではベーターとVHSの戦いが有名である。規格も共有化されることによる価値が向上し負けたベータが廃れたといえる。
次世代ディスク規格『ブルーレイ』は今HOTな話題だ。
これらを受け、ITにおけるネットワークであるミクシーとグリーはいま生き残りの瀬戸際なのではないかという風に感じた。
ITにおけるネットワークは共有されることによって価値が最大化するのでSNSコミュニティは2つもいらない。
ユーザ側からのメリットをかんがえると、2つは不便なだけなのである。
しかしながら、ミクシー内・グリー内とすくなくとも2つに分断されてしまっており、1つの共有化ネットワークと比較するとユーザは不利益を蒙っている。
実際に、ミクシー、グリーを使ってる方はわかると思うが、いちいち両方にログインしたり、サイトにアクセスするのは面倒だし、ミクシーの友達ネットワークとグリーの友達ネットワークを厳密に分けづらいし、結局両方におなじコミュニティをつくってみたり・・・
(両方に慶應のコミュニティありますよね。ミクシー用とグリー用は使い分けられていないのにもかかわらず)
ミクシー・グリーは今後ユーザのニーズに厳密に答えていこうとすればするほど、そのネットワークを共有化せざるを得ないのだという結論になる。
そのネットワークを共有化する方法はユーザが両方のコミュニティに相互乗り入れ可能なようにする、もしくは、どちらかのSNSがもう片方を駆逐するの二択が考えられる。
相互乗りれによるメリットがない以上、可能性があるのは、先に収益を上げて資本を蓄えた方がもう片方を吸収するということかもしれない。
現在SNSは収益性を模索しているが、本当は模索している場合ではなく、なにがなんでもがむしゃらになって収益性を確保しなくてはいけない段階にあるのかもしれないと思った。
グリーとミクシーの2つを例に挙げたが、LivedoorのSNSなど他のSNSが加わったとしてもおなじことが言える。
もっとひろげると、SNS同士だけでなく、インターネット全体のネットワークとつながる(匿名ではない点やセキュリティは維持しつつ)ことが価値の最大化になるのだと思った。
参考:グリー、田中社長のSNS式起業の方法
結論としては普通な感じだけど、それがロジカルに説明でき、納得できたのが今日はおもしろかった。
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投稿者 S.W. : 2005年10月26日 20:43